2007.11.24 Sat
そして明日の世界より レビュー
健速さんのシナリオのゲームを以前にやったことがあるなら、まさしく彼の集大成といった感じ。
いわば彼の作風が好きならハマる。嫌いなら興ざめするでしょうね。
この人の作風を知らない人に説明するなら、絶望の中の一条の光を描く…という感じ。主人公は、ひたすらに強がるけど実は強くなりきれない。というか、強さをかなり意識して書いている。
あと、彼のシナリオはとても理詰めなので、この話の中で起こる行動には確実に理由がある。そういう話のわかりやすさも特徴的かな。
ただし、本当に二週間に絞っているので、その後には一切関与しない、その潔さを受け入れられるかどうか。
グラフィック
このテの絵は好みがわかれるのかもしれませんが、自分は好き。
植田 亮さんの絵って「空色の風琴」のときも思ったけど、自然の多い風景と非常にマッチしてます。背景の色の塗りも合わせているのか、やや淡い色の塗りが世界観を壊さないように作られていて満足。
欲を言えば、ここにも場面に合った背景絵が欲しいと思える場面はいくつかあったが、それは流石に高望みしすぎだろうと思うので。
ボイス
ボイスも音楽に負けず劣らず鉄板。
青山ゆかりや安玖深音はこの業界では有名なので説明の必要もないだろうけど、他のキャラの声もどこかで聞いたような声。たとえば、日向朝陽役の岡本あさひは「ToHeart2」の委員長の声に聞こえる。水守御波役の夢篠さなぎさんだって、どことなく「夜明け前より瑠璃色な」の姫様の人の声のような気がする。確証はありませんが。
少なくとも絶対その二人はどこかで聞いたことある声なんだよ。
一番の衝撃は八島宗一郎役の柴田秀勝さんか。人生観溢れる声でマジ感激。
音楽
音楽は鉄板揃えただけあり神レベルだ。ボーカルにはOP曲と各キャラ毎のED曲があり、川田まみ、KIYO、中原涼、WHITE-LIPS、eufoniusとエロゲ音楽をそれなりに知っている人ならいかに鉄板か理解してくれると思う。
これは音楽買いしてもいい領域だろうと思うくらい反則。
ゲーム中サウンドはクレジット上ではどうやらI've Soundですな。ボーカル曲もそうだが、ゲーム中のサウンドもやや寂しげな曲が多めだが、お話にあったよい曲だと思います。ここまで雰囲気を意識した聴き心地のよい音楽たちに、素人な私には文句をつけるところがどこにも見当たりません。
更に驚くべきことは、ところどころに世界的名曲「Amazing grace」が!恐らくはこの作品のイメージにぴったりだと思って使っているのでしょう。
総評
とにかく何かと鉄板揃いすぎて、発売前は若干冷めた目で見てたんですが、やっぱり鉄板は鉄板だわ(何
シナリオもここ数年で少しずつ知名度が上がっている健速さん、話も彼の得意分野な方面であり、今回の手法はやっぱりいつもの彼の書き方であり、今までの集大成を見せてくれたと思う。
原画さんも癖はあるけど、空色の風琴で私は気に入ってた植田亮さん。話の舞台とはマッチするだろうなぁと発売前から思ってたが、そのとおり相性いいです。
音楽や声優も上記の通りで、ケチをつける方が失礼な気がすらしてくる。
1日1日をやたら掘り下げているので、やや中だるみは否めませんが、それを除けばやっぱりいつもの健速節なシナリオ。
終末を宣告された直後の二週間の彼ら彼女らの軌跡を描いただけの物語。
だが、その特殊環境下における登場人物たちの感情の揺れ動きにあなたが何か感じるものがあるとするならば、それこそあなたは健速シナリオのワールドに引き込まれていると言えよう。
自分はもっと冷めた目で見ちゃうかなと思ってたけど、意外とこの世界観に引き込まれた。
注意としては、個別ルートが終わったからといってそこでやめないように。
とここで忠告して意味があるのかわからないけど、絶対最後までやってね。その最後のおかげで一気に自分内評価は上がりました。そこに至るまで、やや退屈なシナリオですが諦めずに、ね。
好きなシナリオ:樹青葉
青葉シナリオを最初にやったからってだけかもしれんが。
他のシナリオよりは予想していない方向に進んだので。青葉の秘めたる愛の重さが半端なく伝わるところが気に入ったかな。
好きなキャラ:水森御波
みなみちゃんぷりちー(笑)
何とも健気なところが好きです。
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